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JES日本環境技研株式会社

企画構想シンクタンク

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地域冷暖房システムにおいて環境性・効率を向上するシステムの検討や計画を行いたい。

地域冷暖房(地域熱供給)システムの効率実態調査結果
 ~未利用熱エネルギー導入基盤整備調査~

大阪万博(1970年)の地域冷房プラントの導入以来、わが国における地域熱供給地区は、全国で150地区を超えます。

資源エネルギー庁では、今後の地域熱供給の方向性を明らかにするために、全国の地域熱供給地区を対象に、省エネルギー性能(システム効率)に関する実態調査を行いました。

ここでは、弊社が受託した「未利用熱エネルギー導入基盤整備調査」の中から、実態調査に関する内容をご紹介します。

詳細につきましては、最後の出典資料をご参照下さい。


1.調査の概要

全国の地域熱供給施設のうち需要家が住宅主体のものを除いた108件について、アンケートによりプラントのエネルギー消費量、販売熱量、プラント送出熱量等を調査しました。

地域熱供給の省エネルギー性能を評価する上で比較対象となる個別熱源システムについても、既存の建物において供給熱量やエネルギー消費量等の自動計測を行っている建物を調査しました。


2.地域熱供給の省エネルギー性能(システム効率)の実態

実態データより、地域熱供給システムの省エネルギー効果について分析しました。その結果、個別熱源システムと比べて、特に未利用エネルギー等を活用していない一般的な地域熱供給システムの場合約12%、未利用エネルギーやコージェネ排熱を活用している地域熱供給システムの場合約15〜22%の省エネルギー効果があることが分かりました。


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【地域熱供給システムの省エネルギー評価】
(同じ熱需要に対して必要となる一次エネルギー量の比較)


3.地域熱供給の省エネルギー性能にかかる要因分析

地域熱供給システムの省エネルギー性能に係る要因について、分析結果を整理します。

【表 地域熱供給における省エネルギー性能の要因分析まとめ】
要因 省エネ性との関連性
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(1)供給対象床面積 供給床面積が大きい地区ほど、熱源機器台数分割の適正化、機器の高効率化、部分負荷対応の適正化などのスケールメリットが期待でき、省エネルギー性の高い熱供給システムが期待。
(2)供給開始年度 熱源方式の推移による違いや熱源機効率に差はあるものの、大きな相関関係は見られない。 ×
(3)冷温熱比 熱源方式に対する適合性があり、特に電動主体方式は冷温熱比が高い地区に導入が期待。なお、電動主体方式は、冷温熱比が高いほど総合エネルギー効率が高い傾向が見られる。
(4)熱需要密度 熱需要密度が高い地区ほど規模が大きくかつ地域導管損失を少なく計画することが可能であり、結果として省エネルギー性能が高くなる傾向が見られる。
2







(5)全負荷相当運転時間 全負荷相当運転時間が長い地区ほど省エネルギー性能が高い。全負荷相当運転時間は、(1)夜間・中間季の負荷の有無、(2)プラント計画時と実際の負荷の違い(計画時より実際の負荷が少ないと、全負荷相当時間は短くなる)、が反映されると考えられる。
(6)地域導管長さ 地域導管距離が長い地区ほど地域導管損損失は大きくなるが、規模や熱需要密度等の他の要因も影響してくるため、省エネルギー性能そのものに対する影響は少ない。
(7)未利用・排熱利用 未利用エネルギーや排熱を利用することにより、省エネルギー効果の高いシステムを構築することが可能。利用比率が高いほど、省エネルギー性能も高くなる傾向がみられる。
(8)機器台数分割 機器台数分割が多い地区ほど運転効率の向上、補機電力の削減が可能であり、省エネルギー効果が高い。


4.地域熱供給システムのスケールメリットについて

下表に地域熱供給システム及び個別熱源システムの対象床面積と総合エネルギー効率の関係を示します。

これより、本調査対象における地域熱供給システムの平均対象床面積約30万m2に対し、個別熱源ビルの平均床面積は約3万m2です。
総合エネルギー効率を比較すると、個別熱源システムの平均床面積付近では、地域冷暖房とほぼ同程度(0.6)であり、これ以下の規模では個別熱源システムに優位性がみられます。
一方で、地域熱供給システムの供給対象平均床面積付近では、地域冷暖房の総合エネルギー効率(0.68)は、3万m2時に比べて約1割向上していることがわかります。これは、機器の台数分割の適正化、運転効率の向上、補機電力の削減、複数建物に供給することによる負荷平準化効果などのスケールメリットによるものと考えられます。
このスケールメリットが要因のひとつとなり、地域熱供給の総合エネルギー効率が個別熱源と比較して優れる結果となっています。


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【総合エネルギー効率と対象延床面積の比較】
(個別熱源と地域熱供給(一般システム/未利用・コージェネ排熱利用)


5.地域熱供給システムの効率向上について

現在、地域冷暖房(地域熱供給)は、環境性を向上させるため、既存・新規を問わずそのシステム効率の向上がますます重要となっています。
弊社では、上記に述べた国の調査をはじめ、これまで様々な地域冷暖房プラントの調査、計画、設計、検証を行い、多くのノウハウや知見を蓄積してきました。その経験を活かし、今後も地域冷暖房(地域熱供給)の調査、計画、設計などに貢献したいと考えています。


出典資料

日本環境技研株式会社、「平成14年度 新エネルギー等導入促進基礎調査[未利用エネルギー導入基盤整備調査 報告書]、平成15年3月

下田吉之、佐土原聡、福島朝彦:「地域熱供給システムの総合エネルギー効率の実態—地域熱供給システムの省エネルギー性、CO2削減効果に関する実態研究・その1—」、日本建築学会梗概集、2003(東海)

福島朝彦、佐土原聡、下田吉之:「個別熱源システムの総合エネルギー効率の実態−地域熱供給システムの省エネルギー性、CO2削減効果に関する実態研究・その2−」、日本建築学会梗概集、2003(東海)

佐土原聡、下田吉之、福島朝彦:「地域熱供給システムの省エネルギー性能とCO2削減インパクト−地域熱供給システムの省エネルギー性、CO2削減効果に関する実態研究・その3−」、日本建築学会梗概集、2003(東海)

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