中部国際空港エネルギー供給の調査・計画・設計 (地域熱供給+分散型電源+再生可能エネルギー)

弊社は、我が国の大規模な国際空港(成田空港、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港)におけるエネルギー供給施設の調査・計画・設計業務を行ってきました。
ここでは、2005年に開港した「中部国際空港」におけるエネルギー供給システムの調査・計画・設計ならびに工事監理業務について紹介いたします。

(1)企画・調査に基づく新たなエネルギー構想の提案【調査、企画】

中部地区の玄関口として、万博に合わせて開港が予定されていた中部国際空港のエネルギーシステムを検討するにあたって、基本的なシステム構築のためのコンセプトを掲げることが重要であり、弊社は多角的な視点から様々なコンセプトの提案をしました。

提案に際しては、空港整備計画や国、愛知県におけるエネルギーに対する取り組みや、中部国際空港全体における基本理念等を調査し、様々な視点からエネルギーシステムのコンセプトを設定し、そのコンセプトを実現するための手法も含めて提案をしました。

また、中部国際空港の計画にあたっては、最新技術を結集し、21世紀にふさわしい、経済性に優れた競争力のある国際空港づくりがうたわれていることから、エネルギーシステム構築にあたっても、これらの内容を踏まえたシステム構築を行いました。例えば、コージェンレーションシステムや大型の水蓄熱槽および未利用エネルギー(海水利用)の活用による高効率な熱源設備の導入や、エネルギー源を都市ガスと電力を併用することによるエネルギー供給システムの信頼性向上等といった、様々な手法を用いてエネルギーシステムを提案しました。

(2)構想を具体化するための基本計画(FS調査)【計画】

基本コンセプトや基本構想を具体化するためには、更に詳細な基本計画を策定する必要があり、この策定業務についても弊社が行いました。
この基本計画を検討する際には、新しい空港のインフラ整備ということもあり、エネルギーシステムを専門とする学識経験者、国や地方公共団体等の関係行政機関の方々、及び本エネルギー供給事業に参画を予定している民間事業者の方々等で構成される専門委員会が設置され、その委員会の中で詳細な検討が行われました。

主な検討内容としては、基本構想等で提示したエネルギーシステムのコンセプトや立地条件、環境条件、計画与件等の前提条件について詳細に整理し、エネルギー供給システム構築にあたっては、既存空港や既存熱供給施設の事例等を調査しました。更には、電力需要量や熱需要量について既存建物事例や資料等を活用して整理し、空港全体のエネルギー需要量を想定しました。この需要量を基に、中部国際空港におけるエネルギーシステムについて、コージェネレーションの設備容量、冷温熱源機器の構成や容量等を、システムの信頼性、省エネルギー、環境保全、経済性等の観点から詳細に検討しました。
また、熱供給事業法に基づく熱供給事業を行うに当たり、事業の採算性を確保する必要があることから、資金調達方策、エネルギーシステム構築のためのイニシャルコスト、事業年度毎のエネルギー費等(ランニングコスト)、熱販売量等を基に事業採算性が確保できる熱販売単価の試算と事業収支検討を行いました。

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(3)基本・詳細設計,工事監理【設計】

中部国際空港のエネルギー供給では、上記の基本計画に基づいて、基本設計・詳細設計が行われました。
弊社は基本計画の策定に携わったこと、エネルギーシステム構築に関する多くの実績があること等を評価され、エネルギーシステムの基本・詳細設計及び工事監理に関する業務に携わることができました。

設計業務では、空港全体の計画とエネルギーシステム構築のための調整と整合を詳細に検討し、その検討を踏まえ冷温熱源機器等の主要機器及び各種配管の選定や、エネルギーセンターの建家計画や使用する材料の仕様について検討を行いました。
また、冷温熱源機器で製造した熱(冷水、温水、蒸気)を各需要家へ供給するための地域熱供給管や共同溝のルート及び口径選定について検討を行い、基本計画を行いました。

更に、基本計画や基本設計で選定した各種機器を各設置場所の図面上にレイアウトし、機器の収まりや配管やケーブル等の取り合いについて検討を行いました。また、基本設計図等を基に機器や材料の数量を算出し、エネルギーシステム構築のためのイニシャルコスト(総建設費)を試算して、建設工事を発注するための基礎資料を作成しました。

建設工事を発注するにあたっては、中部国際空港全体の調達基本方針に沿って、競争原理と経済性を追求するために積極的なVE提案制度が導入され、募集に係る資料作成やVE提案による提案内容の審査・評価の業務を行いました。
工事監理業務では、実際にエネルギーシステムを建設するにあたって、請負者(施工者)と発注者との間に立って、請負者が具体化する関係図書に対して、発注者の目的が反映されているか、発注条件等と整合できているか等について、照査・審査を行い、関係諸機関との調整及び承諾事項に関する審査等を行いました。

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(4)現在の中部国際空港エネルギープラント

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